『投資信託』の選び方。
投資を始めたい人
投資を始めるなら、投資信託が良いって聞いたんだけど…
たくさん種類が合ってよう分からん…
どうやって選べば良いの?
こういった疑問に答えます。
投資信託は多くの種類があります。
中には手数料や信託報酬が高く、長期投資に向かないものもあります。
そういった投資信託を選ばず、長期投資に向いている投資信託を選ぶことが重要です。
今回は長期投資に向いている投資信託の選び方を説明していきます。
そもそも投資信託って何?
という方はこちらの記事をご参照下さい。
『投資信託』とは何か。特徴と仕組みを解説。【初心者向け】
もくじ
投資信託の選び方。評価方法について。
投資信託は非常に多くの商品数があるので、選ぶ際には様々な条件を付けて検索することが望ましいです。
まずは投資信託を選ぶ際の選択基準を見ていきたいと思います。
弊サイトでは投資信託をモーニングスターの詳細検索にて以下の項目でスクリーニングし、評価しています。
- カテゴリー:それぞれ(全世界、先進国、米国、国内、新興国など)
- 決算頻度:1年ごと
- インデックスファンド区分:インデックスファンドのみ
- 信託報酬:分類平均より小さい
- 購入時手数料:0%
- 償還期間:30年以上
- 純資産総額:1000百万円以上
- 資金流入:1年連続
この条件で検索することによって長期投資に向いている以下のような特徴を持つ投資信託をスクリーニングしています。
- 毎月分配型でない
- インデックスファンドである
- 信託報酬(コスト)が低い
- 購入手数料がかからない
- 償還期間が無期限
- 純資産総額が大きく、資金流入が続いている
これらの項目でスクリーニングし、その中からさらに信託報酬が安いものを選択していくと、長期投資に向いた良い投資信託を選ぶことができます。
実際に評価をする前にそれぞれの項目について確認していきましょう。
投資信託の選び方① 『毎月分配型』でない。
毎月分配型の投資信託とは名前の通り『毎月分配金を出す投資信託』のことです。
これをなぜ除くのかというと、金融機関本位の商品が多いからです。
例えば、手数料や信託報酬が高い、分配率が高いように見えて元本の払い戻しである、などです。
毎月分配型投資信託にはこういった商品が多いため金融庁の指導も入っています。
また、分配金が出ることで、税金の繰り延べ効果が無くなるので複利効果にもマイナスです。
特別な事情がない限り、毎月分配型は選択しなくて良いです。
投資信託の選び方② 『インデックスファンド』である。
投資の世界では自分の判断で個別銘柄を取引しないで、指標に投資する方法『インデックス投資』が最も効率的であるとされています。
指標とは日本では例えば、日経225やTOPIXです。米国だとNYダウやS&P500が有名です。
他にも全世界のものや債券など様々な指標があります。
こういった指標に投資をすることで、市場の平均的なリターンを得ることができます。
『市場の平均じゃつまらないなぁ』と思うかもしれませんが、残念なことに
多くのアクティブ投資はインデックス投資に勝てません。
プロがお金をかけてファンドマネージャーを雇って運用したり、必死に個別銘柄を調べて取引した結果、指標に負けてしまうのは驚きかもしれません。
労力やアドバイス料はリターンに繋がって欲しいのが心情です。
しかし、このことは多くの調査から明らかになっています。
例えば、インデックス投資の権威、チャールズ・エリスは著書『敗者のゲーム』の中でこのように述べています。
「市場平均を上回る」という目標に反して、アメリカの運用機関は全体として市場平均に負けている。
またS&Pの調査で、多くのアクティブファンドがベンチマークをアンダーパフォームしているということが報告されています。
SPIVA(S&P INDICES VERSUS ACTIVE)
こういった調査結果もあることからアクティブ投資よりもインデックス投資の方が報われる可能性が高いことが分かります。
このことから投資初心者に限らず、経験が長い方でもインデックス投資が最も効率的であると言えます。
投資信託の選び方③ 『信託報酬』が安い。
信託報酬は投資信託のコストです。
これはファンドを運用する運用会社に管理手数料として支払われます。
当然ですがコストは低いほうが良いです。
投資信託の基準価額は以下の式で計算されます。
source一般財団法人 投資信託協会
この計算式の純資産総額の部分を分解すると
『総価値-信託報酬』
となっており、これを総口数で割ることで基準価額が算出されています。
つまり、毎日総価値から一定額が信託報酬によって減価されていることになります。
コストは普通、自分でお金を払って負担しますが、投資信託では資産からコストを削って基準価額に反映しています。
これが投資信託にコストを支払っている感覚を鈍らせる原因でもあります。
コストがリターンに与える影響をもう少し掘り下げてみましょう。
純資産総額の計算式の総価値の部分をさらに分解して計算すると
株数×株価+配当 - 信託報酬 = 純資産総額
となります。
ここで配当が2%、信託報酬が2%だったらどうなるでしょう。
この投資信託は配当分のリターンを全て信託報酬として運用会社に支払っていることになります。
こういったことから、投資信託を選ぶ際は低コストの商品を選ぶことが基本になります。
信託報酬は投資信託のカテゴリー(全世界、先進国、新興国、国内など)で異なります。
なので、同一のカテゴリーの投資信託で比べるのが良いでしょう。
今では信託報酬は0.1%代の商品も多くあるので、1%とか2%という信託報酬を見たら『!?』という感覚が正常です。
投資信託の選び方④ 『購入手数料』が0%。
購入手数料は買い付けの度にかかる手数料です。
近年は購入手数料が0%の投資信託が多くあるのでわざわざ購入手数料がかかる投資信託を購入する必要はありません。
毎月積み立てなどで資産形成をしていると、毎月購入の度に支払うことになります。
必要のないコストは削減しましょう。
投資信託の選び方⑤ 『償還期間』が無期限。
償還期間は投資信託の運用期間のことです。
運用開始から5年とか10年、無期限などがあります。
ここでは『償還期間が無期限』であることが望ましいです。
なぜ『償還期間が無期限』が望ましいかというと、5年や10年で運用が終わってしまうと長期投資にならないからです。
償還期間が無期限であれば繰り上げ償還されない限り一生運用を続けることができます。
これは以下の条件と重なりますが、長期で運用できる投資信託は『償還期間が無期限』で『純資産総額が大きい』『資金流入が続いている』ことが重要です。
投資信託の選び方⑥ 『純資産総額』が大きく『資金流入』が続いている。
次の条件は『純資産総額』が大きく、安定して『資金流入』していることです。
純資産総額とはファンド内の株式の株価の上下、ファンドへの資金の流出入等で決まります。
ファンドの解約者が多ければ純資産総額は減少してしまいます。
純資産総額が右肩下がりで資金の流出が続いている投資信託は買ってはいけません。
純資産額が減り、資金が流出し続けると最終的には『繰上償還』されてしまいます。
投資信託が繰上償還されると長期投資のために購入している投資信託を解約せざるを得なくなります。
そういったことが起こらないためにも『純資産総額が大きく』『資金流入が続いている』投資信託を選びましょう。
投資信託は受託者全体の共同運用なので、どのような人がどのような方法で運用しているかも大事です。
市場が良かろうと悪かろうと純資産総額が順調に増えているということは積立て投資家が購入している投資信託であるということです。
ご自身が積み立て投資を実施してるなら、同じ考え方の投資家が集まる投資信託が良いです。
資金の流出入はモーニングスターで確認ができます。
TOPページから『投資信託』→『ファンドを探す』でファンドを検索し、ファンドの個別ページで『リターン』→『月次資金流出入額』を選択して下さい。
資金流入が続いていれば上に棒グラフが伸びた、以下のような図になります。
source :モーニングスター
一方で資金が流出している場合は下に棒グラフが伸びた、以下のような図になります。
source :モーニングスター
このような2つの投資信託があったら上の図のように資金が流入している投資信託を選びましょう。
まとめ
投資信託を選ぶ場合は以下の条件で検索することが良いです。
- 毎月分配型でない
- インデックスファンドである
- 信託報酬(コスト)が低い
- 購入手数料がかからない
- 償還期間が無期限
- 純資産総額が大きく、資金流入が続いている
スクリーニングにはモーニングスターなどのサイトを使うと便利です。
このような方法で長期投資に向いた投資信託を選び、運用することで着実に資産を形成することができます。
Life is Free!!
Written by Tametomo Itsuki.