これからの投資の話をしよう!
written by Tametomo Itsuki

【MMM】3M(スリーエム)は新しいアイディアを生み続ける安定成長の企業。60年連続増配。

3M(スリーエム)は素材、安全技術、ヘルスケア、電気・電子、家庭用品など様々な業種を持つコングロマリット企業です。

有名なブランドはポストイットやスコッチブライトです。

私生活で一度は使ったことがあるのではないでしょうか。

もくじ

  1. 概要
  2. 株価、配当率とPERの推移
  3. 過去の実績推移
  4. 過去のリターン
  5. 所感

概要

事業はグローバルに展開しており、成長性、増配歴、キャッシュフローなどの経営指標は優良です。

配当利回りは高くありませんが、増配率を考慮すると投資額に対する配当利回り(YoC : Yield on Cost)は将来的に高くなることが期待できます。

管理人も資産の5%を超えない範囲でを3Mに投資しています。

良好な経営指標と増配期待から買値に対する配当利回りは管理人の求める配当利回り4%を超えてくるものと考えています。

ただし、後述するように景気動向に敏感でボラティリティは高いので、ディフェンシブ銘柄とはいいがたいです。

製品はポストイットやスコッチブライトが有名ですが、家庭用品はごく売上の一部で、業務用のテープや接着剤、道路標識の反射板、お医者さんの使う聴診器、歯科用製品など製品は多岐に渡ります。

その数なんと製品数は5万5,000種。

「選択と集中」ではなく「多角化」戦略で成功した企業です。

数多くの特許を持ち、さらに特許が切れた製品も、その技術を応用して次々と新製品が誕生しています。

新製品の研究・開発が盛んなのは「15%カルチャー」と呼ばれる企業文化にありそうです。

「15%カルチャー」
(3M Japan HPより引用)

3Mでは、技術者が「将来のビジネスに役立つ」と考える研究テーマであれば、自分に与えられた職務上のテーマとは別に、「労働時間の15%を費やしてその研究に取り組むことができる」という不文律が脈々と受け継がれており、活発な技術者の交流活動を通じて新しいアイデアの創出につながっています。


このような企業文化が脈々と受け継がれ、消費者が必要とする製品を生産し続けることで継続的な利益の創出が可能になります。

株主への利益還元の文化も脈々と受け継がれており、増配歴は60年です。

数々の株式市場の暴落、不況を乗り越えて増配し続けているという事実は投資家にとって非常に安心感があります。

株価、配当率とPERの推移

株価の推移

近年は営業利益などの業績悪化の影響で株価は下落傾向にあります。

株価の水準としては5年前ぐらいまで下がっています。

配当率とPERの推移

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・平均配当率 : 2.6%
・平均PER : 20.1倍

平均配当率や平均PERを下回る水準が相対的に割安と言えそうです。

PERは20倍程度が平均ですが、年々上昇しているようにも見えます。

長期的なリターンが投資家の期待と利益成長とのギャップによって生まれることを考えれば、投資家の期待は低い方が良いですが、この水準はやや『妥当』に見えます。

配当率も上昇傾向にあります。

スリーエムは連続増配銘柄なので、後述するDPS(1株当たりの配当)は毎年増加しています。

一方で株価は近年は売り込まれているので配当率が上昇しています。

また、連続増配銘柄は株価が変わらなくても長期間保有し配当額が上がることでYoC(Yield on Cost:買値に対する配当率)が自然と上昇していくのが魅力です。

ちなみに管理人のスリーエムのYoCは3.2%です。


過去の実績推移

以下は過去10年間におけるJNJの業績をMORNINGSTARのデータを元に作成しています。

売上高の推移

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営業利益、純利益、営業利益率の推移

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売り上げと本業の儲けを示す営業利益はここ数年伸び悩んでいます。

2019年の決算では伸び悩んでいた営業利益が減少し、株価も大きく下げました。

今後の動向は注意して観察する必要がありそうです。

純利益は10年間で年率5.3%のペースで成長しています。

営業利益率は比較的高いものの、2019年には20%を割っています。

来年以降の動向に注意が必要です。

EPS、DPS、配当性向の推移

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1株当たり利益(EPS)、1株当たり配当(DPS)はキレイな右肩上がりです。

EPSは年率7%程、DPSは年率10%程成長しています。

配当は過去10年間で約2.7倍に成長しています。

配当性向は徐々に増加している(配当成長に利益成長が追い付いていない)ので、今後10年も同じように配当が成長することができるか、観察の必要がありそうです。

EPSの順調な成長は自社株買いの効果と推測されます。

発行済み株式数の推移を見てみると、2014年頃から自社株買いのペースが加速していることが分かります。

発行済み株式数の推移

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10年間で約15%の発行済み株式を買い戻しています。

自社株買いは市場に流通する株式を買い戻すことで、1株当たりの価値を相対的に上げることができる為、株主にとっては嬉しいことです。

発行済み株式が減少し、同じ利益を上げたとすれば、1株当たり利益(EPS)は上昇します。

営業利益が伸び悩んでいる2014年から自社株買いの速度が加速しているように見えるのが気になるところです。

そのため、純利益が減少するなかでEPSを維持、または上昇させるために自社株買いを実施しているのであれば、注意が必要です。

キャッシュフローの推移

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キャッシュフローは安定しています。

長期の債務割合が上昇していても毎年安定してフリーキャッシュフローを稼げていれば、資金がショートすることはないでしょう。


過去のリターン


続いて、過去のリターンについて確認していきます。

以下のリンクはPortfolio Visualizerにて【MMM】スリーエムとS&P500のETFであるSPYと1~4の条件で比較したものです。

『MMM vs SPY』 BackTest result

  1. 2000年から2020年までの
  2. MMMMとSYPを
  3. 初期投資10,000ドルで
  4. 配当再投資した場合のリターン

配当を再投資した場合のトータルリターンは一貫してS&P500のリターンを上回っています。

ボラティリティはかなり高いイメージでリーマンショック、コロナショック時はしっかりと連れ安しています。

ただ、S&P500は非常に優秀な指数で、過去のトータルリターンが勝っているというのは期待値が高いです。
この2~3年はS&P500にトータルリターンでアンダーパフォームしています。

これは近年の業績の悪化が影響しているものと思われます。

業績の悪化が一時的なものであれば、投資妙味がある時期なのかもしれません。



所感

スリーエムは連続増配銘柄であり、安定的に成長を続けてきた企業です。

連続増配であることからリセッション時の減配リスクを減少させることができます。

近年は業績の悪化に伴いリターンが減少していますが、これを一時的なものとして見るのであれば、投資妙味があります。

配当利回りは管理人にはやや物足りないかなという感じです。

管理人はポートフォリオの5%を超えない範囲で投資を続けていきます。

また、スリーエムは配当率は低いものの、業績の回復しだいではEPSの成長に伴う株価の上昇も期待できます。

従ってある程度の配当成長、配当収入を期待しつつも、あらかじめ決められたルールでリバランスを実施することでポートフォリオ全体のリターン、配当収入の最大化に貢献すると考えています。

スリーエムのように消費者が必要とする製品を作り、安定して成長する利益を株主に還元している企業は投資家に安定したリターンを期待させてくれます。

このように将来に渡って高いリターンをもたらしてくれる企業に早い時期からコツコツと投資をしておくことで、少しずつ経済的自由に近づくことができます。


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Written by Tametomo Itsuki.

管理人


いつき ためとも

樹 為朝


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