【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソンはヘルスケアセクター屈指の優良銘柄で連続増配銘柄。
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もくじ
概要
ジョンソン・エンド・ジョンソンはヘルスケアセクター屈指の優良銘柄で連続増配銘柄です。
連続増配の年数は60年近くになります。
60年前の1960年代に何があったかというと、日本でカラーテレビが放送された年代です。
そんな時代から増配を続けてきた銘柄です。
さて、ジョンソン・エンド・ジョンソンはご存知の通りバンドエイドを販売している企業です。
バンドエイドはジョンソン・エンド・ジョンソンの商品名で絆創膏の総称ではありません。
ですが、多くの人が絆創膏=バンドエイドだと勘違いするほどにジョンソン・エンド・ジョンソンの製品は一般に浸透しています。
また、ベビーローションやアキュビーシリーズなどのコンタクトレンズも一般向けに販売しています。
このようにコンシューマーでの認知度が非常に高いジョンソン・エンド・ジョンソンですが、売上比率でみると20%程にすぎず、40%が医薬品、40%が医療機器で構成されています。
ヘルスケアセクターの銘柄はこの3つのいずれかに特化していることが多く、バランス良く事業展開しているのは安定感があります。
株価、配当率とPERの推移
株価の推移
株価は2018年以降は停滞気味ですが、長期で見るときれいな右肩上がりです。
コロナショックからもいち早く立ち直っています。
こういった時期にコツコツ買い増しておくことで、次の上昇局面をとらえることができると思いますがいかがでしょうか。
配当率とPERの推移
・平均配当率 : 2.9%
・平均PER : 19.6倍
平均配当率や平均PERを下回る水準が相対的に割安と言えそうです。
PERは年々上昇しており、これは投資家の期待(株価)が高まっていることを意味します。(2018年は前年の会計上特殊条件によりEPSが当てにならないのでデータを排除)
長期的なリターンが投資家の期待と利益成長とのギャップによって生まれることを考えれば、投資家の期待は低い方が良いですが、この水準はやや『割高』に見えます。
一方で配当率は近年は低下傾向です。
これはジョンソン・エンド・ジョンソンの配当が少なくなっているからではありません。
後述するようにジョンソン・エンド・ジョンソンは連続増配銘柄であり、DPS(1株当たりの配当額)は年々上昇しています。
にも関わらず配当率が低下しているということは、投資家の期待がそれを上回っているということです。
現在のバリュエーションをどう捉えるかが投資判断の鍵になりますが、管理人は定期的に淡々と買い増しをしています。
また、連続増配銘柄は株価が変わらなくても長期間保有し配当額が上がることでYoC(Yield on Cost:買値に対する配当率)が自然と上昇していくのが魅力です。
ちなみに管理人のジョンソン・エンド・ジョンソンのYoCは2.7%です。
過去の実績推移
以下は過去10年間におけるJNJの業績をMORNINGSTARのデータを元に作成しています。
売上高の推移
売り上げは右肩上がりです。
順調に事業が拡大してます。
営業利益、純利益、営業利益率の推移
2017年の純利益は減少は税制改革の特殊要因で会計上の問題なので、事業としては問題ありません。
営業利益は伸び悩んでいますが、営業利益率は25%以上と文句なしです。
EPS、DPS、配当性向の推移
EPSは良く言えば安定的、悪く言えばほとんど成長していません。
一方で一株当たり配当(DPS)はきれいな右肩上がりです。
配当性向は2017年の利益額があてにならないので2018年を除いて表示しています。
利益が伸びていない、配当が伸びている→配当性向は上昇傾向にあります。
発行済み株式数の推移
ここ5年ほどは自社株買いを実施していしています。
企業が自社株買いを実施すると1株当たりの価値を相対的に上げることができるので、今後も自社株買いは盛んに行ってほしいところです。
キャッシュフローの推移
営業キャッシュフローの伸びに従ってフリーキャッシュフローも右肩上がりです。
営業利益は伸びていないもののキャッシュが稼げているということは本業が上手くいっているということです。
営業キャッシュフローに対するフリーキャッシュフローの割合も多く、キャッシュリッチであることが分かります。
過去のリターン
続いて、過去のリターンについて確認していきます。
以下のリンクはPortfolio Visualizerにて【JNJ】ジョンソン・エンド・ジョンソンとS&P500のETFであるSPYと1~4の条件で比較したものです。
『JNJ vs SPY』 BackTest result
- 2000年から2020年までのXOMとSYPを
- 初期投資10,000ドルで
- 配当再投資した場合のリターン
配当を再投資した場合のトータルリターンは一貫してJNJがS&P500をアウトパフォームしています。
また、『Portfolio Returns』の『Worst Year』を見てもらうと、SPYの最もリターンの悪かったとしては-36.8%であるのに対し、JNJは-7.88%と年間リターンの下落が少ないことが分かります。
加えて配当額もS&P500に比べて多いです。
所感
ジョンソン・エンド・ジョンソンは一貫してS&P500のリターンを上回ってきた銘柄です。
加えて高配当連続増配のため、配当の安全性が高いです。
業績は良くも悪くも安定的です。
株価はこの10年で大きく上昇しており、投資家の期待が高まっていることから、やや『割高感』があります。
株式投資の未来ではヘルスケアセクターは過去のリターンがS&P500の平均よりも高かったことが紹介されています。
source:株式投資の未来S&P500 10セクター(業種)の過去のリターン(1957年~2003年)
セクター(Sector)
実績リターン
1
ヘルスケア(Health Care)
14.19%
2
生活必需品(Consumer Staples)
13.36%
3
情報技術(Information Technology)
11.39%
4
エネルギー(Energy)
11.32%
5
一般消費財(Consumer Discretionary)
11.09%
6
金融(Financials)
10.58%
7
資本財(Industrials)
10.22%
8
電気通信(Telecommunication)
9.63%
9
公益事業(Utilities)
9.52%
10
素材(Materials)
8.18%
-
S&P500平均
10.85%
ジョンソン・エンド・ジョンソンはヘルスケアセクターの中でも代表的な銘柄でその地位はこれからも変わらないでしょう。
注意しておきたいのはジョンソン・エンド・ジョンソンを始め、ヘルスケアセクターは起訴リスクと常に隣り合わせだということです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは過去のベビーパウダーへのアスベストの混入疑惑で株価が暴落した経歴もあります。
現在のバリュエーションをどう捉えるかが投資判断の鍵になりますが、管理人は定期的に淡々と買い増しをしています。
こういった特徴を踏まえた上でジョンソン・エンド・ジョンソンのような優良銘柄にコツコツと投資をすることで、経済的自由に近づくことができます。
Life is Free!!
Written by Tametomo Itsuki.