自由に生きるために投資の話をしよう!
written by Tametomo Itsuki

『不動産投資信託(REIT:リート)』の特徴 - 集めた資金で不動産に投資し、高い分配金が期待できる資産クラス -

不動産投資信託(REIT:リート:以下REIT)は投資家から集めた資金で不動産に投資する商品です。

少額から不動産へ投資できます。

REITは株式と比べ分配金が高めなのも特徴の1つです。

今回は一般投資家が分散して不動産に投資できるREITについて説明します。

もくじ

  1. REITの特徴と仕組み
  2. REITを分析する際の指標
  3. REITの過去のリターン
  4. まとめ


REIT(不動産投資信託)とは?REITの特徴と仕組み。

REITとは?

REITは投資家から集めた資金で不動産に投資する商品です。

そして、そこから得た収益(賃貸収入や売却益等)を投資家に分配する仕組みです。


source: 一般財団法人 投資信託協会

不動産投資は必要な資金が高額で分散投資が難しいです。

例えば、マンションやアパートへ投資する場合には価格は数千万円で頭金だけでも数百万円かかります。

資金が潤沢にある方なら問題ありませんが、数千万円を分散投資できる方は多くないでしょう。

REITは分散投資が難しい不動産を投資家から集めた資金で購入し、マンションやアパートだけではなく、個人で購入できないホテルやショッピングモール、ヘルスケア施設などの不動産に分散投資できるのが特徴です。

また、REITは収益の90%以上を分配するなどの条件を満たすことで、法人税が免除されるため、分配金が高めに設定できます。

REITは内部でレバレッジをかけた投資商品

REITは内部でレバレッジが掛かっていることが特徴の1つです。

レバレッジとはお金を借り入れて自己資金よりも大きな買い物をすることです。

例えば、3,000万円を投資家から集めた場合、それを自己資金として銀行からもう3,000万円借り入れて6,000万円の物件を購入します。

この場合は借入比率が50%になり2倍のレバレッジがかかっていることになります。

こういった仕組みで運用されているため、投資家が拠出した資金はレバレッジをかけていない状態よりも効率的に運用されることになります。

これがREITが分配金が高いもう1つの理由です。


REITのセクター分類

日本では住宅、オフィス、店舗(ショッピングモール等)、ホテル,それらを合わせた総合REITという分類がされます。

近年では高齢者用住居施設に投資するヘルスケアREITも上場しており、管理人も『ヘルスケア&メディカル投資法人』に投資をしております。

その他にインフラファンドと呼ばれる太陽光発電を主とした再生可能エネルギー施設に投資をするREITもあります。

管理人は『カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人』と『日本再生可能エネルギー』に投資をしております。

米国では日本よりもREITが進んでおり、上記のセクター以外にも『モゲージREIT』というモゲージ債に投資をするREITもあります。

こちらは日本の証券口座では取扱いがないので、なかなか手を出しずらいですが、管理人は『【NLY】アナリー・キャピタル・マネジメント』に投資をしています。

REITは株式のセクターと同様にセクター別で異なる値動き、収益性があります。

それが顕著だったのがコロナショックです。

ご存知の通りが外出自粛やロックダウンが行われたため、ホテルREIT、店舗REITは壊滅的なダメージを受けました。

管理人が投資している米国ショッピングモールREITの『【SKT】タンガー・ファクトリー・アウトレット・センターズ』は70%以上下落しました。

一方で上述の『ヘルスケア&メディカル投資法人』や『カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人』『日本再生可能エネルギー』などのコロナショックとは関係ないセクターは少ない下落、または無反応でした。

こういったことからもREITにおいてもセクターを集中せず適度に分散することが必要です。


REITを分析する際の指標。

では実際にREITを選ぶ時にどのような指標で選べばよいか、ということを説明していきます。

まず、注意点からです。

REITを購入する時に分配金だけを見て購入するのはやめましょう。

REITは仕組み上、借り入れ比率を高くして高い分配金を出すことが可能です。

借入比率を高めると大型テナントの退去、借り入れ金利の上昇の影響で資金的な余裕が無くなり、物件を強制的にロスカット(強制売却)されることがあります。

こういったことが起こると価格の下落や減配のリスクが高まります。

また、会計上のルールを使うことにより当期純利益よりも高い分配金を出すことが可能です。

つまり『ない袖を振って』分配金を出すことが可能なので、本業が上手くいかずに賃貸収入が入っていなかったとしても分配金を高くすることができるのです。

こういった理由からREITを選ぶときは分配金のみを見て購入することはやめたほうがいいです。

では、どういった指標を見ればいいかというと、以下の3点で良いと思います。

  1. LTV(Loan To Value) : 借入比率
  2. NAV(Net Asset Value)倍率 : 純資産価値倍率
  3. NOI(Net Operating Income)利回り : 単年度利回り

1つずつ説明していきます。

LTV(Loan To Value) : 借入比率は安全性の指標

上述の借り入れ比率のことをLTV(Loan To Value)と言います。

LTVが高いREITほどレバレッジをかけて運用していることになります。

2020年現在のような低金利が続くのであれば借入金利が低く抑えられるため、本業である賃貸収入が低くてもLTVを高くすることで分配金を高めることができます。

ただし、前述の通り強制ロスカットされるリスクが高くなることに注意が必要です。

その他指標が同程度であるならば、LTVは低いほうが良いです。


NAV(Net Asset Value)倍率 : 純資産価値倍率は割安の指標

NAV(純資産価値)とは何かというと『法人を解散する時に、所有する全ての物件を売り借入金を返済した上で、お金がいくら残るか』のことです。

このNAVを1口当たりに直して、1口当たりの価格に対して高いのか安いのかを見ていきます。

NAV倍率の計算式は…

NAV(Net Asset Value)倍率(倍)
 = 1口当たりの価格 / 1口当たりのNAV(純資産価値)


となります。

2つの例で比べてみましょう。

①価格が10万円で1口当たりのNAVも10万円。

↑↑↑NAV倍率は1倍です。

②価格が8万円でNAVが10万円

↑↑↑NAV倍率は0.8倍になります。

どちらが良いかというと下の0.8倍の方が良いです。

このNAV倍率が何を表しているかというと

『本来10万円のものがいくらで売っているか』

ということになります。

なので、『10万円のものを10万円で買う』よりも『10万円ものを8万円で買う』方が有利になります。

これを倍率にすると0.8倍となり『1よりも小さい方が割安』であることが分かります。

株式で言うところのPBRと同様です。


NOI(Net Operating Income)利回り : 単年度利回りは収益性の指標

NOI利回りはREITがどれだけ利益を上げられるかという収益性の指標です。

収益性は高いほうが良いので、同じセクターで比べて高いものを選びましょう。

ただし、注意が必要なのはNOI利回りは地方に物件が集中するREITの方が高くなるということです。

これはなぜかというと、地方の物件の方が土地価格が安いからです。

物件の価格が安ければ同じ利益でもNOI利回りは高くなりますので、投資対象のREITがどこに物件を多く持っているかも確認が必要です。


REITの過去のリターン

続いてREITの過去のリターンを確認してみましょう。

以下のリンクはPortfolio Visualizeri Shares 米国不動産ETF(IYR)をS&P500のETFであるSPYと1~4の条件で比較したものです。

『IYR vs SPY』 BackTest result


  1. 2001年から(IYRは2001年から運用開始)2020年までの
  2. IYRとSYPを
  3. 初期投資10,000ドルで
  4. 配当再投資した場合のリターン

不動産セクターでポートフォリオを構築していた場合、S&P500をアウトパフォームしています。

不動産なので株式との相関が低いと思いきや、S&P500との相関性は高く、市場と同様の動きをしています。

本来、不動産は流動性が低いため価格の変動は株式に比べると穏やかです。

しかし、REITは不動産に投資する商品ではあるものの、株式市場に上場しているため株式市場の影響を大きく受けます。

そのため、REITは不動産をベースにした投資であるものの、現物の不動産と比べ分散効果は低いことを理解しておいた方が良いです。

まとめ

REITは分配金が高い傾向にあり、インカムゲイン投資家に人気があります。

My Portfolioを見てもらうと分かりますが、管理人も国内、米国合わせて8銘柄を保有しております。

分配金が高い理由はREIT内部でレバレッジをかけていることや、利益の90%を分配することで法人税が免除される仕組みにあります。

様々なセクターがあるので、それぞれの特徴を確認しつつ分散して投資をした方が良いです。

迷ったら総合系REITを選んでおくと良いと思います。

過去のリターンは高いものの、株式よりもボラティリティが高いです。

REITについて詳しく知りたい方は『海外ETFとREITで始めるインカムゲイン投資の教科書』を読むと良いです。

本書はREITの基礎や特徴、海外口座や海外REITまで触れられています。

また、為替や債券についてもかなり深くまで説明されているので、債券とREITを勉強するのに良いと思います。

REITはアセットアロケーションのメインにはしずらいですが、インカムゲインの補完、分散投資として組み込むことを考察するのが良いです。



To get the Liberty!!

Written by Tametomo Itsuki.

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